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検査室見学ツアー

同愛記念病院

※施設名、役職名等は、見学当時のものです。

システム導入をきっかけに挑んだ検査科の再構築

Ⅰ. はじめに

社会福祉法人 同愛記念病院は、大正12年9月1日の関東大震災に際し、被災民の惨状を憂う米国赤十字社が中心となって集められた義捐金をもとに、大正13年に財団法人病院として設立されました。米国国民の篤い博愛精神を永く記念する意味から同愛記念病院(The Fraternity Memorial Hospital)と名付けられ、昭和4年6月に診療を開始しました。敗戦後10年間にわたって占領軍に接収されましたが、昭和31年4月に社会福祉法人として診療を再開しています。

<社会福祉法人 同愛記念病院 概要>

〒130-8587 東京都墨田区横網2-1-11
TEL:03-3625-6381
http://www.doai.jp/

診療科目: 内科、神経科・精神科、アレルギー呼吸器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科(16科)
病床数:427 職員数:530

社会福祉法人 同愛記念病院

■ 病院の特色

内視鏡手術を各科で積極的に行っており、泌尿器科では腎・尿管結石破砕術を早くから手がけ、整形外科では大相撲力士や他のスポーツ選手を中心に年間130例を越える関節鏡視下手術を行っています。
また、今後高齢化が予想される地域社会のニーズに対応するため、30床の介護療養型病床や100床の特別養護老人ホーム(同愛記念ホーム)を併設し、サービス向上を図っています。

Ⅱ. 研究検査科の概要

人員構成(2007年1月現在)

医師(研究検査部長) 2名
臨床検査技師 28名
非常勤臨床検査技師 3名
事務員 2名
写真技師 1名

2005年度の検査数

一般 574,290 血清・輸血 75,219
血液 450,777 病理 12,635
生化学 1,149,204 生理 52,273
細菌 29,298 休日検査* 14,632
合計 2,358,328

*1~3月分。4~12月分は、一般~生理の各部門件数に加算。

同愛記念病院 研究検査科では、1994年以来 臨床検査情報システム CLINILANをお使いいただいております。2006年5月には、検体検査自動化システム Open LA21モジュールシステムが導入されました。
沖田技術科長にその目的と効果についてお話しを伺いました。

Ⅲ. LIS・LAS導入のあゆみ

LIS・LAS導入のあゆみ

拡大

LIS・LAS導入のあゆみ

拡大

■ システムの使用経歴

1994年10月
臨床検査情報システム(LIS) CLINILAN Ver.7.5を導入
2004年12月
臨床検査情報システム(LIS) CLINILAN Ver.8に更新
2005年2月
オーダーエントリシステムが稼働
2006年5月
検体検査自動化システム(LAS) Open LA21モジュールシステム(CLINILOG Ver.3)を導入

「1994年にCLINILAN Ver.7.5を導入してから2005年にオーダーエントリシステムを導入するまでの10年間は、FAX通信による結果報告を行っていました。FAXが3台しかなかったこともあり、混雑した時間帯は報告が遅くなっていました。さらに、追加オーダーの依頼も頻繁にあったため、その度に電話連絡を行うといった問題を抱えていました。
オーダーエントリシステムを導入し、CLINILAN Ver.8と連動したことにより、報告用紙の軽減(外来報告書作成の廃止など)や精度管理業務の改善、患者データのリアルタイム利用などが可能になりました。それにより、これまで抱えていた問題を一気に解決できたことは、とても大きな収穫でした。」

■ LAS導入のきっかけ

「オーダーエントリシステムの導入により改善された点は多くありましたが、分析装置の運用面にまだ問題がありました。分析装置はそれぞれを単独で運用していたため、大型の装置に対して検査技師を1人ずつ配置する必要がありました。この運用方法では担当の装置だけを操作する業務となり、検査技師としての幅が広がらず、効率的とは言えません。また、多くの分析装置が更新の時期に来ていたというタイミングもあり、1つのラインで繋がったOpen LA21モジュールシステムの導入を検討しました。」

Ⅳ. LAS導入による効果

■ 結果報告時間の短縮とコスト削減

「中央採血室は2階の外来に囲まれた場所に位置し、検体は採血後すぐに専用エレベーターによって4階の検査室へ届きます。現在は、採血後約40分で結果を報告していますので、以前に比べ非常に早くなりました。また、分析装置をOpen LA21モジュールシステムにまとめたことにより、消耗品(チップやカップ類、他)なども集約できコスト削減に繋がりました。」

中央採血室
中央採血室

検体専用のエレベーター
検体専用のエレベーター

■ 人員配置の再構築

「1本搬送のOpen LA21モジュールシステムを複数の検査技師が担当することにより各人の業務の負荷が軽減しましたので、人員配置を再構築し、業務効率を高めることが可能になりました。今年の4月からは、看護師と一緒に行っていた採血業務を検査技師だけで行い、生化学の担当者を輸血部門へ1名配属します。他にも、臨床工学技士を1名養成しました。このスタッフは仕事をしながら資格を取得し、現在は別の部署へ配属されています。
LASを導入してもうすぐ1年になりますが、人員の配置についてはまだ改善の余地があると思います。検体検査系から生体検査系へ人員の移行が必要だと考えていますので、さらに見直しをかけて適材適所に人員を配置していきたいと考えています。」

Ⅴ. 新しい取り組みと変化

■ LASによる夜間緊急検査の開始

「当院は、2次緊急指定病院のため夜間緊急検査(休祝日は終日)を実施しています。夜間は1名、休祝日の昼間は2名で検査を行っています。
2006年10月からは、夜間緊急検査でもOpen LA21モジュールシステムによる検査を開始しました。24時間同じ装置を使いますので、時間に関係なく同じ品質で検査結果を提供することが可能になりました。」

■ 予約診療の開始による変化

「2006年11月からは予約診療が始まりました。予約診療を開始する前は、午前中に外来や病棟の検査が集中していましたが、現在は外来の診療が時間に偏りなく分散していますので、検査も分散してオーダーされるようになりました。」

Ⅵ. さらなる改善案

「LASを導入することにより、病院運営の改善にも大きな力を発揮できると考えました。そこで、病院に対して運営に関する提案をしました。」

■ 企業健診事業の拡大を検討

「LASの導入により業務の負荷が軽減し、時間的なゆとりができます。その時間を有効利用し、業務を広げていくことが今後の病院運営の鍵になると思いました。無理なく導入できることとして、企業健診事業の拡大を提案しました。」

■ 研究検査科のオープン化

「企業健診事業の拡大とともに、健診を受ける方を対象とした検査の案内や検査室の見学コースを設置したいと考えています。生体検査は検査の様子を見せることができませんが、検体検査は可能です。検査を受ける側もただ検査結果を見るだけでなく、この結果にたどりつくまでにどのような場所でどのような装置を使い測定したのかを知りたい気持ちがあると思います。見学などを通して検査室をアピールし、患者様にとって壁のない検査室にしたいと考えています。
また、臨床側にとっても気軽に相談できる部門となり、検査データを集計・解析して共同研究を行うなど検査技師の可能性を広げていければと思っています。」

Open LA21モジュールシステム
Open LA21モジュールシステム

Ⅶ. 今後目指すもの

「LIS、オーダーエントリシステムの構築とともにLASも導入し、安定したシステムで日常業務を遂行しています。
今後の最重要課題は、人材育成と考えています。団塊の世代から若い担い手世代へ、世代交代に伴う臨床検査技師の育成が必要です。今後は常に開かれた部門となり、臨床医との意見交換や共同研究、また自分自身の研究発表から投稿を手がけるなど、やるべき事はまだ眠ったままです。厳しい医療環境を乗り切るためにも、検査技師自身が業務効率やコスト削減など、何を改善すれば良いのかを考え、更なるスキルアップを目指してもらいたいと思っています。
研究検査科としても、事業拡大の提案、患者様へ検査に対する理解度を高めてもらう試みなどを計画し、病院運営や患者様の満足度向上に貢献していきたいと思います。」

沖田 技術科長
沖田 技術科長

検査部のみなさん
検査部のみなさん

研究検査科の案内と取材許可をいただきました、沖田技術科長をはじめとする社会福祉法人 同愛記念病院の皆様に、心より御礼申しあげます。