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検査室見学ツアー

岐阜大学医学部附属病院

※施設名、役職名等は、見学当時のものです。

検査の品質保証をめざしたGPILSの構築

Ⅰ. はじめに

岐阜大学医学部附属病院は、2004年6月に現在の地に新築移転しました。ベッドサイドにまで張り巡らされた光ファイバーを利用した高性能完全電子カルテによるトータル・インテリジェント・ホスピタルで、国内最大規模の高度救命救急センターを運用しています。岐阜県から「難病拠点病院」の指定を受け、厚生労働省からは「都道府県がん診療連携拠点病院」として推薦されました。

<岐阜大学医学部附属病院 概要>

〒501-1194 岐阜市柳戸1-1
TEL:058-230-6000
http://hosp.gifu-u.ac.jp/

診療科目: 消化器内科、血液・感染症内科、循環器内科、腎臓内科、呼吸器内科、東洋医学、糖尿病代謝内科、免疫・内分泌内科、神経内科・老年科、心臓血管外科、呼吸器外科、消化器外科、乳腺外科、甲状腺外科、腎移植外科、成育医療科・女性科、整形外科、脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、皮膚科、泌尿器科、精神神経科、小児科、放射線科、麻酔科・疼痛治療科、歯科口腔外科、総合診療部 (28科)
病床数:606 職員数:855

岐阜大学医学部附属病院

Ⅱ. 検査部の概要

人員構成(2006年12月1日現在)

医師 2名(部長・副部長)
臨床検査技師 19名(2名 病理部へ派遣)
契約職員 11名(1名 病理部へ派遣)

2005年度の検査数

  入院 外来
一般検査 23,020 47,015 70,035
血液学 142,462 133,546 276,008
生化学 807,487 872,926 1,680,413
内分泌 12,187 26,714 38,901
免疫 88,324 100,665 188,989
微生物 27,334 10,286 37,620
生理検査 93,731 108,753 202,484
合計 2,494,450

岐阜大学医学部附属病院 検査部では、2004年6月の移転後より、臨床検査情報システム CLINILAN LRP Suiteと検体検査自動化システム Open LA21モジュールシステム(CLINILOG Ver.3)をお使いいただいております。

Laboratory Information System in GPLIS

拡大

Laboratory Automation System in GPLIS

拡大

Ⅲ. GPILSの構築と運用

■ GPILSの構築

「病院の新築移転を踏まえ、検査システムには、完全電子カルテ化に対応でき、費用対効果に優れ、医療過誤防止などの管理が円滑にできること、さらには大学病院として検査付加価値情報の提供など先進医療に貢献できることが必要であると考えました。2002年より、産学共同研究の一環として次世代検査システムGPILSの構築に取り組みました。」(清島 満 検査部長談)

今回、検査部を見学し、「検査の品質保証」をキーワードに実現されたGPILSの具体的な内容を取材しました。

■ 臨床検査ナビゲーションシステムの活用

「病棟採血と外来採血の検体が集中する時間帯(8:30~12:30)は、二人の副技師長(丸本氏、古田氏)が交代でナビゲータとしてデ-タの一元管理を行い、検体の到着から分析装置での測定・結果報告までの経過をシステムでモニタリングしています。その際に、チェックロジックにかかった結果の確認や、希釈再検、確認再検指示など、検査スタッフにインカムを利用して適切な指示を出します。
そのほかにも、中央採血室の繁忙状況に応じた採血スタッフの人員配置、各診療科からの問い合わせ対応、検査項目の追加依頼、院外からの電話対応、パニック値の主治医への連絡などもあわせて行います。それにより、検査スタッフは担当している検査のみに集中できるようになりました。 将来的には、HISへ結果報告する予定時間などを情報提供し、サービスを強化していきたいと考えています。」

臨床検査ナビゲーションシステムの活用
検査の進捗状況や、Webカメラの映像を画面上で確認し、検査の遅れなどがあれば担当スタッフへ連絡をとります。

臨床検査ナビゲーションシステムの活用
インカムを通じてナビゲータから指示を受けます。

検査情報システムTAT グラフ表示画面

検査情報システムTAT グラフ表示画面
経過時間(TAT)も検査の品質の一つと考えており、検体の到着から結果報告までの時間をモニタ、管理しています。

■ 検体受取り確認

「品質保証の面で、トレーサビリティは重要です。このシステムを構築する前は、検体を出した、出さないというやりとりがまれにありました。現在では、検体を誰が運んできたかと、何時何分に検体を受け取ったかのログを残していますので、検体提出・受取り時のトラブル防止に役立っています。」

検体の提出・受取り

検体の提出・受取り

■ 物品管理

「品質保証を目的としてロットや有効期限を管理することが求められ、臨床検査試薬や消耗物品にはEAN128バーコードの添付が多くなってきました。当検査部においては、病院物流システムに先駆けて移転前より検査室管理支援システム(CLNILAN LM)を導入し、材料の適正な供給と管理を行っています。」

出庫作業
出庫作業

物品ロケーション管理している試薬庫
物品ロケーション管理している試薬庫

■ コスト削減

「病院の移転を契機に検査機器と検査項目などの見直しを徹底的に行い、ランニングコストの高かった緊急検査部門をルーチンで実施している診療前検査と統合しました。また、物品管理システムを導入し、検査部員ひとり一人がコスト意識を持ったことにより、過剰在庫が減少しました。
これらによりコストの削減を実現できました。」

コスト削減

■ リファレンスデータベース(RefDB)

「検査部から他部門スタッフや患者様へ情報を提供するツールとして、RefDBを導入しました。医療スタッフ向けとしては、お知らせや項目リファレンス、検体採取容器一覧、ICD10病名検索などを、また患者様用としては、主治医の許可を得た検査項目の結果や基準値、患者様用に作成した検査項目の解説などを発信しています。オーダエントリや電子カルテの結果画面に表示されている検査項目から直接リンクしているため、医師や看護師はもちろん医学生も多く利用しています。今後は、中央採血室で採血待ちの患者様向けに検査情報を自由に閲覧できる端末を設置するなど、より良い環境の整備を目指しています。」

オーダエントリ画面から参照したRefDB画面

[ 医療スタッフ向け ]
オーダエントリ画面から参照したRefDB画面

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ベッドサイドシステムから参照したRefDB画面

[ 病棟患者様向け ]
ベッドサイドシステムから参照したRefDB画面

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■ 業務拡大とサービスの向上

「省力化と効率的な運用が可能になったことで、業務拡大とサービスの向上へつながりました。
以前は22項目だった迅速検査対応項目を移転後は80項目に増やし、外来患者様の検体を全て迅速扱いとして対応しています。また、高度救命救急センターを新設した際に、検査部の勤務も休日・夜間の当直制から日勤・夜勤の2交代制へ移行しましたので24時間いつでもより迅速な対応が可能となりました。各診療科にて行っていた採血業務や尿一般検査を検査部へ取り込むなど、スタッフを増やさずに業務の拡大も行いました。」

Ⅳ. 検査部長より

清島 満 部長
清島 満 部長

「(1)迅速性、(2)正確性、(3)経済性、(4)省力化による業務拡大、(5)高度先進医療をターゲットに私たち検査部が掲げたGPILSは、幸い期待通りの、あるいはそれ以上の成果が得られており、それは臨床サイドへのアンケートでの「満足度は大きい」という結果に表れています。RefDBなども多くの医療スタッフに利用されており、さらに付加価値のある情報を発信できるようにしたいと考えています。その他、最近では近隣のIT環境も整備されてきており、岐阜地域全体の基準値の設定、データの共有化を目指して当検査部で定期的に会合を開いています。今後も大学病院検査部としての使命を果たしつつ、その一方で地域医療に貢献できる検査部にしていきたいと思います。」

検査部のみなさん
検査部のみなさん
(飯田技師長/中央、古田副技師長/右から2番め)

Ⅴ. 他部門スタッフより

■ 完全電子化

「完全電子化を病院経営戦略の中枢機能として位置づけ、当院は完全電子化しました。病院内のすべてのデータが電子的に一元管理され、フィルムレスやペーパーレスをはじめ、個々の物品管理から入院患者様の夕食メニューまでを網羅しています。 現在では、次世代の電子化運用の計画が順調に進み、将来展望として全県エリアを対象とした診療データの共有化を行うことで患者様の利便性を考慮した病院づくりをめざしています。」
医療情報部/ 白鳥 義宗 副部長

病院経営戦略会議室
病院経営戦略会議室

■ 高度救命救急センター

「岐阜県は90%以上が山間地域の市町村で構成されているため救急医療が困難で、特に高度医療を必要としている患者様には時間の短縮が重要です。”いつでも誰にでも高度医療の提供が可能である”ことが当院の設計当時からの考えであり、病院屋上に設置されているヘリポートは直接集中治療部門につながっています。
救命センターは全国でもトップレベルの医療スタッフを配置し、24時間いつでも高度救命医療が受けられます。また、岐阜県の防災ヘリと協定を結び、県内全域を約1時間以内にカバーできる医療体制を整えています。」
高度救命救急センター/ 小倉 真治 センター長

ドクターヘリの到着
ドクターヘリの到着

検査部の案内と取材許可をいただきました、清島部長をはじめとする岐阜大学医学部附属病院の皆様に、心より御礼申しあげます。