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検査室見学ツアー

倉敷中央病院

Ⅰ. はじめに

財団法人 倉敷中央病院は、大正12年(1923年)に倉敷紡績社長の大原孫三郎氏によって設立されました。氏の「治療本位(真に患者のための治療)」「病院くさくない明るい病院」「東洋一の理想的な病院」の設計思想とそのベースにある理想主義と人間重視の考え方は、80年を経た現在も受け継がれています。平成15年には日本医療機能評価機構より認定を更新され 、「質の高い病院」として再評価されました。

<財団法人倉敷中央病院 概要>

〒710-8602 岡山県倉敷市美和1丁目1番1号
TEL:086-422-0210
http://www.kchnet.or.jp/

診療科目:消化器内科、循環器内科、神経内科、呼吸器内科、糖尿病内科、腎臓内科、血液内科、内分泌代謝科、リウマチ膠原病内科、心療内科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器外科、産婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、形成外科、美容外科、皮膚科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、歯科(歯科・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科)(27科)
病床数:1,116 職員数:1,929

財団法人倉敷中央病院

創立から絶えず進歩し、最良の医療を志してきた病院と、チーム医療の一員として積極的な取り組みを行っている検査部を案内していただきました。

Ⅱ. 検査部の概要と方針
大正12年 病院開設(研究室併設
15年 付属医学研究室を開設
製剤、化学、生理、病理、細菌の5部署設置
昭和22年 柴田進 先生 研究室主任を任命される
26年 中央検査室制度を導入
35年 検査の中央化が進む
47年 時間外緊急検査が開始される(17~22時)
54年 時間外緊急検査が当直制となる
55年 染色体検査を開始

2002年の検体数:年間970万項目(外注含む)

臨床検査技師 110名
パート技師 19名
検査部専任医師 4名

(2003年11月17日現在)

2003年6月の検体数(およそ)

化学 26,550 血清 4,900 生理 9,400
尿・負荷 3,800 一般 13,000 細胞免疫 110
RI 800 外注 3,100 ウイルス 370
薬物 740 細菌 3,400 輸血 8,300
血液 27,000 染色体 120 病理 900
合計 111,000

【金光副技師長談】

■ 検査の自動化と効率

「2002年には年間検査項目数970万件を超えましたが、2003年はやや減少しました。先生方がDPCを視野に入れて検査オーダーされているのかも分かりません。たくさんの検体を処理する過程で、より早く、より正確にを第1に考えています。2003年8月には化学・血清部門で検体検査自動化システム(LAS)を導入し、自動化可能な作業を効率化し、迅速化しました。その一方で、迅速性が要求される主要な用手法項目は外注には出さず院内で検査しています。検査部としては効率性に問題があっても、検査結果が早く出て治療が早く開始できれば、早い退院につながり、患者さまにとっても病院にとってもメリットが大きいと思います。自動化・システム化で生じた人力を有効に活用して次の発展につなげていきたいと思います。」

■ 臨床医の要望に応える

「先生方に満足していただけるよう、ご要望にはできるだけお応えするようにしています。分析機や試薬、方法などを変更する場合には、あらかじめ検討データをみていただき、ご了解いただいた上で検査部門運営委員会に諮っています。治験や臨床研究への協力要請もあります。臨床との解離データについては、追試などをして疑問にお答しています。このような過程の中で先生方との信頼関係が構築され、検査部が成長する糧になっています。」

Ⅲ. 採血管準備~検体受付

■ 外来採血室

1日500~600人の患者さまが訪れる外来採血室は、不安をやわらげる桃色を基調とした明るい雰囲気の部屋になっています。8つの採血台があり、2台の採血管準備システムを使って効率よく採血業務を行います。

外来採血室

■ 病棟用 採血管準備

病棟用の採血管準備には、検体受付近くに設置した採血管準備装置1台を使います。オーダリングシステムにより翌日の病棟用採血管にバーコードを貼付して配布しています。

病棟用 採血管準備

■ 検体受付

採血された検体はこの検体受付にシマコムまたはメッセンジャーによって運ばれます。随時遠心分離を行ない、検体検査自動化システム(LAS)に投入しますので、迅速に結果を返すことができます。

検体受付

Ⅳ. LAS 検体検査自動化システム

LAS 検体検査自動化システム

拡大

2003年8月に検体検査自動化システム(CLINILOG Ver.2)を導入しました。自動化するシステムを導入するからには患者さまへ結果を返す時間が1分たりとも遅くなってはいけないということで、導入時には徹底的にディスカッションを行い、納得のいくまで何度も検討を重ねました。
事前の打合せを細密に行い、稼動準備時間も十分にあったため、稼動開始後のトラブルもほとんどなく、安定して稼働しています。

LAS 検体検査自動化システム

■ 投入・開栓

投入・開栓

大量の検体を考慮し、投入ユニットを2つ用意しました。いろいろ検討した結果、1台を検体専用に、もう1台を子ラック(分注用)専用にしました。それぞれに開栓機が使えるようになっています。

■ オンライン分注

2台並列で、最高のスピードが得られるようにしてあります。

■ オフライン分注

分注を終えた検体の行き先を考慮して、オフライン分注ユニットは投入口の近くまで戻すようなレイアウトがベストだと考えて、現在のような位置にしました。

■ 生化学、免疫血清検査

H7600-210(日立社)が2台と、新設のARCHITECT i2000(ダイナボット社)が2台接続されています。いずれも診察前検査を行っている項目ですので迅速な測定が求められることにより、投入された検体は自動的に負荷分散をしながら効率の良い測定がされています。また、本システム(CLINILOG Ver.2)は、緊急検体が通常検体を追い越すことができるため、搬送がいっぱいになったときでもTATが下がりにくい仕組みになっているのが良いところです。

H7600-210
H7600-210

ARCHITECT i2000
ARCHITECT i2000

■ 血液検査(オフライン)

以前から稼動していたHSTシステムに加え、新たにXEのRetic付きミニ搬送を入れたおかげで、バックアップ機能が充実するとともに、血液部門のTATが短縮しています。

血液検査(オフライン)

血液検査(オフライン)

Ⅴ. LIS 臨床検査情報システム

LIS 臨床検査情報システム

拡大

LIS(CLINILAN)は、検体検査、細菌検査、一般検査、輸血検査の各部門で2003年8月より順調に稼動しています。病院情報システムと検査情報システムを同一のパソコン上で動かしており、パソコンの台数削減の役に立っています。情報システムの導入範囲としては、時間外システムや、輸血の製剤管理関係がまだ立ち上がっていませんが、順次検討を進めているところです。

LISの参照
LISの参照
(左側のディスプレイはLASの端末)

Ⅵ. 検査部からの情報発信

【金光副技師長談】 「検査部からも患者さま、院内向けとそれぞれ情報発信を心がけています。」

■ 患者さま向け

よく分かる検査データの読み方(リーフレット)を”医療情報の庭”で配布しています。これは、代表的な検査項目について分かりやすく概説したもので、イラストなども入れて読みやすく工夫しています。患者さまに喜ばれていて、次のリーフレット作成の要望があるほどです。

検査部からの情報発信

■ 院内向け

  • ・臨床検査の手引き・・・手帳タイプで、これを見れば当院で行っている検査の一通りのことが書いてあります。印刷物という性格上、最新情報の更新には弱いので、それをWeb化したLI情報システムも活用しています。このシステムは病院の情報システム課と共同で構築しています。将来的には、すべての内容をアップ トゥ デイトで対応可能な院内情報ネットで配信する予定です。
  • ・らぼめ~る・・・定期的に発行する検査部からの情報発信メディアです。その時事に適合し役に立つ内容を、皆さんに興味を持っていただけるように工夫してお届けしています。
  • ・検査部ニュース(公式文書)・・・検査内容の詳細や、項目の測定法、機器、試薬の変更についてその都度連絡しています。
Ⅶ. チーム医療への参画

【金光副技師長談】 「臨床検査技師の人数は110人と多いのですが、延べ61人が他部門へ出向きいろいろな業務に携わっています。また、病院の各委員会などにも積極的に参加しています。」

チーム医療への参画 検査技師(延べ人数)

部門 人数 業務 補足・おもな業務
総合保健管理センター 6名 専任 検体検査、心電図、超音波
血液治療センター 5(1)名 専任 血液検査、輸血、放射線照射
体外砕石治療センター 4名 専任 砕石、エコー、平衡機能、前立腺生検の補助
人工透析センター 2名 専任 臨床工学技士免許取得者
心臓病センター 10名   臨床工学技士免許取得者 7名
24時間体制
心臓カテーテル、人工心肺業務
第2生理検査室関連 5名   腹部超音波、脳波測定
採血 12(5)名    
病棟 5名   出向採血、POCTなど
CRC(治験コーディネータ) 1名 専任  
体外受精 2名 専任  
感染対策 2名    
ICT 3名    
糖尿病教室 4名   1サイクル2週間で毎日開催。
検査部は2週間に1回参加。
合計 61(6)名    

※カッコ内人数は、うちパート技師数

Ⅷ. 絶えず変革を

【金光副技師長談】
「現在の1年は昔の10年に匹敵すると言われますが、本院創立10周年記念講演(昭和8年)で、創立者の大原孫三郎氏がこうおっしゃられています。”この10年間、職員一同よく頑張られた。しかし、これだけ変化の激しい時代にあって、現状維持は後退であり、絶えず進歩しつづける病院でありたい。”これは70年経った現在でも新鮮な言葉です。検査部も常に意識変革を行い、これからも患者さまに求められる検査部であり続けたいと思います。」

【影岡主任部長談】
「この度の新システム導入に当たっては、当検査部の過密な検査業務に対応できるようなLAS並びにLISの構築を目指し、担当技師とA&T側での綿密なシミュレーションの検討と、あわせて厳しい改造要求もクリアされ、比較的スムースに導入・運用でき業務改善の一助になったと思っています。しかし、今後も更に検査情報サービスとセキュリティー管理の充実したシステムに仕上げて行きたいと考えています。これからの検査部は従来の検査サービスの概念を拡大して、生理検査のみならず検体検査担当技師も患者さまに寄り添った業務への積極的な進出を目指す必要があります。すなわち温かい血の通った検査情報を診療現場ならびに患者さまの手元に届けることが大切です。そのような検査部を今後のイメージとして描きつつ時代に呼応したフレキシブルで変革精神の旺盛な検査部を実現したいと思っています。」

影岡主任部長
影岡主任部長

A&Tは同病院の新システム導入にあたり、効率化のためのコンサルテーションを行いました。検査部の皆様の業務変革に対する意欲のもと、目標設定の意見がまとまるのも早く、次々と業務改善がなされつつあります。

Ⅸ. 患者サービス・病院アメニティ

提案箱

患者さまからご意見を寄せて頂き、より良い病院にしていくために外来を中心とした27カ所に提案箱を設置しています。意見を頂いてどのような対応を行ったか詳しい回答を、広報板、患者さま向け広報誌”Kニュース”、ホームページに掲載しています。

提案箱

提案箱

■ Kニュース

Kニュース

倉敷中央病院を理解して頂くとともに、患者さまとのコミュニケーションをはかるために「Kニュース」という冊子を発行しています。2001年11月にNo.1を発行し、これまでに8冊をつくりました。
内容は、各部門長へのインタビュー、病院のトピックス、病気・検査に関する情報(糖尿病や薬の飲みかた、検査値の読みかたなど)や、お知らせといった、興味を持って読んで頂けるような紙面づくりをこころがけています。

■ アメニティ

患者さまの不安が少しでも和らぎ快適に過ごしていただけるよう、アメニティを充実させ病院らしくない空間をつくりあげています。ここに紹介した以外にもアメニティを配慮したたくさんの施設があります。
より良い病院をめざし、頻繁に増改築されているのでどこかを工事していない期間がないくらいです。

大原記念ホール
大原記念ホール

小児科待合
小児科待合

患者さまのための医療情報コーナー医療情報の庭
患者さまのための医療情報コーナー
医療情報の庭

熱帯魚
熱帯魚

温室
温室

セントラル・パーラー
セントラル・パーラー

検査部の案内ならびに掲載許可をくださいました、影岡主任部長、金光副技師長をはじめとする倉敷中央病院の皆様に、心より御礼申しあげます。